保険診療だけをガンガン行って、年商1億円に到達させることは不可能でないがかなり厳しいということは以前この記事でも書いた。
本当にそれは非常に大変なことで、患者さんのキャンセルを限りなく少なくして、歯科衛生士さんをたくさん揃えて、スピード感を持って歯周病治療を行わせることと、歯科医師自身が馬車馬のように働くことが必要となる。
実際のところは、キャンセルや遅刻などで時間が余ったり、不足したり。
また時間がないことで焦りが出たりもする。結果クオリティが下がっていい治療にならない場合が多いように思う。
また時間が取れないゆえ、小分けの治療になって、来院回数が増えてしまったりする。(わざとそうしているところもあると思うが)
どうすればゆとりを持って年商1億円の歯科医院にすることはできるのだろうか?
クオリティを保ちたい
クオリティの高い歯科治療を行うことはいい歯医者の条件である(当たり前のことではあるが)。
そのためには歯科治療という特性上、時間が必要である。
もちろん時間はあっても、技術がなければお話にならないが・・・
簡単な虫歯治療であったとしても、最低30分は欲しいところである。
毎回30分の治療の場合、1日8時間労働とすると、1日で診る患者さんの数は16人。
この人数で年商1億円の歯科医院にするのはなかなか難しい。
では、どうすればクオリティを保ちつつ、年商1億円の歯科医院にできるだろうか?
利益率を上げるために、自費率をあげていきたい。
自費率をあげたい
自費診療は保険診療と違って、使える術式や素材などが全然違う。
保険が効かないということは実費になるため、またそもそもの素材の価格が高いことや、術式を行うための技術料、またリスクなどを含めて高額になりがちである。
その高額商品を販売していくためには何が必要だろうか?
一般的な物販に置き換えて考えてみてほしい。
例えば、100円ショップで取り扱いされているものは、最低限の素材で、なるべく安く必要なニーズに応えることのできる商品が並んでいる。まさに保険診療で行うような銀歯や詰め物がその類であろう。利益率は低いが、価格的ハードルは低いため購入しやすい。
その場合、販売員側が特に何もしなくても、お客さんが必要あるいは欲しいと思った物があれば、ある程度は勝手に売れていくことだろう。まさに保険診療である。
その反対に、セレクトショップで販売されているものの中にある、他と比べてクオリティは高いが、金額的にも0が何桁か違う商品は、もしそれに目を向けたお客さんがいたら、販売員の方が熱心にそのものの良さや、素晴らしさを説明してくれるだろう。
そう、自費率を上げるためには、販売側からの熱心なコンサルテーションが必要なのである。
コンサルテーションが必須
どんな物があるのか?どんな違いがあるのか?
そのあたりは、それをよく知っている側から説明しないといけない。
ましてや一般の患者さんは歯の詰め物の種類や治し方なんて知る由もない。
鞄や時計や車であれば、専門外の方でもなんとなくその名前聞いたことあるよね、とかなんとなく質感が良さそうとか、有名人が使ってますよねとかで知っていることもあるだろう。
ただ、セラミックの詰め物がどうとか、金歯の良さとか、歯が抜けたらどうしたらいいのか?とかその辺りはまるで情報がないわけである。
インターネットで調べて来られる方もおられるが、間違った情報も多いし、適応かどうかなども自分では判断ができないのである。
そのため、歯科医師側からこういう治し方がありますよ、それぞれの違いはこうですよと説明してあげることが重要である。
歯科医師側には色んなバリエーションを知っている知識と、かつそれを的確に適切に処置できる技術と経験が必要となる。
歯科衛生士さん、歯科技工士さんの力は必須
歯科医師だけではなく、歯科衛生士さん、歯科技工士さんの力は必須である。
どれだけ歯科医師が知識量、技術、経験を持っていたとしてもそれは個人であり、それだけでは年商1億円の歯科医院を作ることは難しいと考える。
歯科衛生士さんのクリーニングや、メインテナンスに対する知識、技術、経験も大事になるし
歯科技工士さんの補綴物の色の調整や、マージンフィットの調整、それらを行う知識、技術、経験も大事である。
歯科もいわゆるチーム医療であることを認識する必要がある。
ゆとりを持って年商1億円の歯科医院にするためには
受付さん、歯科助手さんの力も大事
患者さんのお口の中にダイレクトに影響を与える、歯科医師、歯科衛生士さん、歯科技工士さんだけが良ければいいというわけではない。
彼らが力を発揮する場所に、うまく導入してくれる受付さん、彼らが十分に力を発揮できるようにサポートしてくれる歯科助手さんの力も大事である。
ゆとりを持って年商1億円の歯科医院にするためには
では、ゆとりを持って年商1億円の歯科医院にするためには何が必要かというと
保険診療であっても、自費診療であってもしっかりとしたクオリティを保ち、自費診療の良さをしっかりとコンサルテーションして、それらを的確に行うことができるだけの、知識、技術、経験が必要となる。またそれらを支えてくれる、歯科衛生士さん、歯科技工士さん、歯科助手さん、受付さんなどの優秀なスタッフの存在も欠かせない。
当たり前のことを、当たり前のようにすることがいかに難しいかということのようにも思う。
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