経営者側が求めていることと、勤務している側で求めていることは全く違う。
そういったことを勤務医時代はそこまで考えてはおらず、改めて実際開業してから『なるほど、確かに全然違う』と思うことは多い。
わかりやすい言い方をすれば、経営者側というのはいかに医院の稼ぎを増やすかということや、患者さんへの満足度や、スタッフの状況を考えていることが多いと思う。つまりは医院全体のことを考えていると思う。
その他、もろもろ考えることもあるとは思うが、その中でも上記の内容を考えている割合が多いと思う。
しかし、勤務している側の考えていることのメインは、経営者側が考えていることとは違うことを考えている人が多い気がする。
医院全体のことを考えるよりも、個人(自分)のことを考えていることが多い。給与に対してのことやボーナスのこと、就労条件などである。もちろん自分自身を思い返してみてもそうだった。
そのため経営者側と勤務している側では、向かっている方向がずれていることがある。
難しいのはそこのずれをいかに補正していくかである。
みんなで稼ぎを上げていくことで、個人が良くなっていくという考えで全体の底上げをしていかないと、個々が別の方向を向いているとなかなか順調な経営は難しい。
経営者側の考え方をスタッフに向けて共有することはとても大事
経営者側の考え方をスタッフに伝えてはいるだろうか?
伝わっているつもりだったり、伝えていない院長は少なくないと思う。
スタッフも同じ方向を向いているに違いない、とか同じように考えているとか、わかっているはずというのは本当に勘違いであることが多く、そのようになっていないことは多々ある。
そのため、経営者側の考えをスタッフに共有して、考え方のすり合わせをしたり、目的を達成するために必要なことや、それをすることでどのようなメリットが得られるかを考える必要がある。
何も言わずして、院長の考えとスタッフの考えが一致しているなんてことはまずほとんどない。
私自身、今でもそうではあるが、よく見る朝の号令や気合いの挨拶などそういうのに全く興味がない。ただ、それを行う意図はなんとなくわかる。
スタッフ間と経営者側の考えをすり寄せておく必要があるのだ。
スタッフ間と経営者側の考えが違うままでも、歯科医院はある程度成り立つだろう。
しかし、必ず不安定になりがちである。
不安定というのはスタッフの定着率の低さであったり、スタッフ間でトラブルであったり。
経営者側の考えに同調してくれるスタッフが数えれば増えるほど、スタッフも安定する気がするし、その方が経営にとってもとても有利に働くのである。
特に衛生士は実際に点数を(売り上げを)上げてくれるポジションである。
ただ、受付や助手も間接的にではあるが、売上に影響する。
受付や助手の患者に対する対応によっても、予約の取り具合も変わることもあるためである。
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