年商1億円の歯科医院開業の難しさ〜歯科衛生士編〜

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年商1億円の歯科医院開業の難しさ〜スタッフ〜↓

これの歯科衛生士にフォーカスを当てて書いていきたい。

 

歯科衛生士を雇用するにあたっての難しさ

歯科衛生士を雇用するにあたっての難しさは一つではない。

もちろんまず雇用に至るまでが一つの難関になるのだが、その後も様々な困難が訪れる。

いろんな困難を場合わけして考察していく。

 

歯科衛生士雇用の難しさ

まず歯科衛生士の求人倍率は高く、まず雇用するのが大変である。

以下は引用記事になるが非常に参考になる。

卒業、就職、求人状況および入学定員、志願者、入学者数について

令4年度 令和5年度
卒業者数 就職者数 求人件数 求人人数 入学定員 志願者数 入学者数
7,162 6,371 88,740 148,289 9,811 10,197 8,317

一般社団法人 全国歯科衛生士教育協議会資料より

就職者に対する求人件数倍率 13.6
就職者に対する求人人数倍率 23.3
志願者倍率=志願者数/入学定員 1.04
定員充足率=入学者数/入学定員×100 84.8%
志願者数が定員に満たない学校 52.2%
入学者が定員に満たない学校 68.0%

一般社団法人 全国歯科衛生士教育協議会資料より

 

新卒の就職者では23.3倍という高水準である。そのためなかなか歯科衛生士を雇用するのは大変である。

そして歯科衛生士免許があるからといって必ずしも皆優秀というわけではなく、なかなか雇用するのは厳しいなぁと思うような人材も中には存在する。

なので、歯科衛生士免許があるからいいというわけではないので、実際雇用したいと思う歯科衛生士の求人倍率はかなりのものになるだろう。簡単にいえば、人も良くて優秀な歯科衛生士を雇用するのはかなり困難を極めるということである。

また、雇用した歯科衛生士が新卒の場合と既卒の場合で難しさが変わる。

 

雇用した歯科衛生士が新卒の場合

雇用した歯科衛生士が新卒の場合の難しさは以下のような内容である。

・一般常識が身に付いていない場合がある

・技術、知識はまるで臨床に活かせないので一からの教育が必要となる

・やめがち

 

一般常識が身に付いていない場合がある

新卒の歯科衛生士は、多くの場合が高校卒業後、歯科衛生士専門学校に入学して、歯科衛生士になるのは周知の通り。

つまり、社会人経験というのが皆無に等しい。バイトや部活動などの経験があればまだ多少違う場合もあり、歯科衛生士専門学校の夜間部に入学して新卒の歯科衛生士になる場合は、社会人経験者という場合もあるので一概にはいえないが。

そのため、一般的な社会通念などが通用しない場合もある。

華美な服装で出勤してみたり、髪の色やネイルなどが派手だったり、診療時間直前に出勤したり。

これには歯科医院側にも責任はあると思っている。なぜなら、上記のように求人倍率が異常に高いため、歯科医医院側としてはちょっとでも規則や条件などをよくして、ちょっとでも窓口を広げて多くの歯科衛生士に注目してほしいからだ。そのため、多少髪の色が明るくても、ネイルが付いていてもOK!みたいなところが増えてきている。

この辺りは給与面や労働条件面のところにも影響していて、だんだんと労働時間が短くなってきているにも関わらず、給与は上がっているという歯科衛生士にとっては、嬉しい傾向にあるが歯科医院側にとっては辛いところである。

 

技術、知識はまるで臨床に活かせないので一からの教育が必要となる

歯科衛生士学校を卒業し、国家試験をパスしたからといって、臨床の場で活躍できるかといえばまずそんなことはない。これはどこの業界でも同じであると思うが。

そのため、歯科衛生士の新卒を雇用した場合には、臨床の場で活躍できるように一から教育していく必要が、歯科医院側にはある。

逆にいえば、新卒の歯科衛生士さん側は教育システムを期待して就職先を探すので、ある程度の教育システムが構築されていないと、新卒歯科衛生士を雇用すべきではないと考える。

 

やめがち

新卒歯科衛生士の場合、どうしても辞めがちな印象がある。他院でも最初からある程度辞めることを見越して複数名採用して、その中からいい人材が残ればいいかなぐらいの感じで考えているところもあるようだ。

また個人的な経験では、そもそも歯科衛生士になりたいわけではなかったがとりあえず、親や周りから言われたからなってみて、就職してみたけどやっぱり合わなかったから辞めますとかいう人もいたし、ちょっと厳しくされたら嫌だったのかあっという間にやめた人もいた。

また、ライフステージとしてまだ結婚や出産がまだの場合は、これからの生活スタイルの変化に伴い引越しなどで通うことができなくなり、退職してしまうケースもある。

経験上、ある程度の経験者よりも新卒の歯科衛生士の方が辞めがちな傾向にあると思う。

これらに対して、既卒の歯科衛生士の場合について書いてみようと思う。

 

雇用した歯科衛生士が既卒の場合

雇用した歯科衛生士が新卒の場合の難しさは以下のような内容である。

・家庭のイベントに影響されやすい

・過去の習慣や癖が抜けない場合がある

 

家庭のイベントに影響されやすい

まだ小さいお子さんがいらっしゃる場合もあり、その場合は体調を崩しやすかったりして、迎えに行かないといけなくなることもあったりするし、学校行事に参加しないといけない場合もあったりで欠勤しないといけないことも多々ある。

逆にいえば、お子さんがいらっしゃるライフステージにある歯科衛生士さんは大きな変化が少ないため、引っ越しをきっかけに退職することは少ないと思われる。

 

過去の習慣や癖が抜けない場合がある

これは結構ありがちで、一番最初に務めたクリニックの影響は大きく、そこでの経験がベースとなりやすいため、そこのやり方が身に染みていてなかなか抜けないこともある。

SRPを行なっていない医院で長年勤務していた歯科衛生士とかであれば、急にSRPを求められてもできないが、なかなかできないことを公言できる環境にないこともあったりして難しい。

それでも、柔軟に対応できる歯科衛生士であればいいが、そうでない場合が厄介である。その人だけを特別扱いすることもできず、皆に合わせてもらいたいが、なかなかうまくいかず結果的に退職になってしまうこともある。

 

雇用後の難しさ

求人倍率22.3倍を乗り越えなんとか雇用できたとして、困難はまだまだ訪れる。

雇用後も様々な困難が待ち受ける。

 

既存スタッフとの関係性

お局助手やお局歯科衛生士によるイビリやいじめなども、よく聞く話である。

そうでなくても、なかなか打ち解けるのが難しいこともあるし、大人数になってくると派閥ができていて、どこかには属するが対立があることに嫌気がさして辞めてしまう人も少なくない。

男性と違って仕事なのだからと割り切って、諦めて仕事にのみ専念するというのは難しいのかもしれない。

仕事に対する認識の違い

仕事に対する認識の違いが結構違う。

どういうことかというと、人生のおいての仕事に対する重要度とでも言おうか。

例えば体調不良にて仕事を休まざるを得なくなる場合も中にはあるだろう。しかしそのハードルの高さは結構人によって違う印象があり、その中でも一般企業に就職している方や、歯科医師などと比較してみるとどうも低いような印象を受ける。

上記内容はもちろん人によって違う部分であり、一概に性別や職種によって決まるわけではないが、どうも欠勤することのハードルは低めな気がするという個人定期体感に基づいている。もちろん歯科衛生士の中にもとても真面目で勉強熱心で、仕事における思いも強い人もいる。そういう人材を見つけることが難しいということである。

求めているものの違い

経営側求めていることと、勤務している側で求めていることは全く違う。

勤務医時代はそこまで考えていなかったことも多く、改めて実際開業してから『なるほど』と思うことは多い。

わかりやすい言い方をすれば、経営側というのはいかに頑張って稼ぎを増やすかということや、患者さんへの満足などを考えていることが多いと思う。つまりは医院全体のことを考えていると思う。

その他もろもろ考えることもあるとは思うが、その中でも上記の内容を考えている割合が多いと思う。

しかし、勤務している側のメインはそこでない人が多い気がする。医院全体のことを考えるよりも、個人(自分)のことを考えていることが多い。給与に対してのことやボーナスのこと、就労条件などである。もちろん自分自身を思い返してみてもそうだった。

そのため経営側と勤務している側では向かっている方向が少しずれていることがある。

難しいのはそこのずれをいかに補正していくかである。

みんなで稼ぎを上げていくことで、個人が良くなっていくという考えで全体の底上げをしていかないと、個々が別の方向を向いているとなかなか順調な経営は難しい。

ここに関してはまた別で詳しく書いてみたい。

 

 

 

 

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